合金を強くすることは、合金を材料として使う量を少なくできますので、持続可能型社会における産業の主要な目的の1つです。しかし合金は強くなると伸びなくなります。これは大昔からの問題で、強くすること(高強度化)と伸びやすくすること(高延性化)の両立は現在も追究されている課題です。これに対して、近年、ナノの大きさで不均一な構造を持つ合金が高強度とともに高延性を示すことが示され、構造をわざと不均一にする研究が行われています。例えば、図に示すように、合金中に大きな金属結晶の粒と小さな金属結晶の粒が混ざっているものがあります。本研究室でもそのようなステンレス合金が高強度と高延性を示す結果を得ています。本研究室では、このような不均一なナノ構造を制御し、高強度かつ高延性を合わせもつ新しい合金を創製することを目指しています。

均一な構造を持つ合金(両端)と不均一な構造を持つ合金(中央)の模式図の一例