エアコンなどに使用される汎用インバータやハイブリッドカー、電車、風力発電などの大きな電力を制御する機器をパワーエレクトロニクス機器と言います。これらの機器の心臓部に使われているキーパーツが「パワーモジュール」になります。種々のエネルギー問題に対応する高電圧化で大きな電力を制御するパワーモジュールは、半導体の電流制御機能そのものも大事ですが、この半導体を守る封止材の役割も非常に大事です。パワーモジュールの構造はいくつかありますが、図のゲル封止型は樹脂封止型と比べて熱応力の観点での優位性から高電圧系のパワーデバイス機器で用いられています。封止材は、半導体素子およびパッケージ内の接続部を電気的・機械的あるいは化学的なストレスから保護する役割を担っていますが、特に重要なのは絶縁信頼性です。封止材に高電圧が印加され続けると、絶縁性能が部分的に劣化し、電気トリーと呼ばれる放電痕(電気が流れやすくなる)が発生し、これが進展すると絶縁破壊に至ります。私たちは、この封止材の高電界現象である電気トリーの発生と進展のメカニズム解明をおこない、より絶縁性能の高い封止材を開発するための提案をおこなう研究をおこなっています。