1. どのような装置ですか?

「ガラスは絶縁体である」というこれまでの常識は変わりつつあります。昨今の研究では、リチウムイオン電池の電解質として利用できる高イオン伝導性ガラスや、トランジスターに応用可能な高電子伝導性酸化物ガラスなど、積極的に電気的性質を利用した新しいガラスが登場しています。以下の電気特性評価装置は、ガラスの電気的性質の評価として誘電性と導電性の2つの性質を評価することができます。
インピーダンスアナライザー

インピーダンスアナライザーは、回路に接続した物質のインダクタンス(L)・静電容量(C)・抵抗(R)などのインピーダンス等を測定する装置です。インピーダンスとは、回路に交流電流を流した時の抵抗成分を複素数で表したものです。インピーダンスアナライザーは、様々な周波数の交流電流を回路に入力したときの出力(振幅や位相)を測定することで、各周波数に対応する物質のインピーダンスを決定します。このように周波数を変調することは、物質内で生じる導電現象のタイムスケールを変化させていることと同義なので、交流測定により電気的性質を総合的に解析することができます。典型的な解析法のひとつとして複素インピーダンス法がよく用いられており、研究室で採用しています。
デジタルマルチメーター
デジタルマルチメータは、「抵抗・電流・電圧」を一台で測定することができる装置です。私たちの研究室では、ガラスに直流電流を流した時の抵抗を評価する際に使用しています。また、直流安定化電源と組み合わせることで電流電圧特性(I-V特性)や電流・電圧値の時間依存性を評価しています。この際、2台の装置を同時にコントロールするために、LabVIEWを用いたプログラム制御をおこなっています。
2. どのような原理ですか?

特性評価にかかわる電極について述べます。実際の実験の様子を図に示します。一般に、電気抵抗(Resistance)は大きく3つの要因によって生じています。次に示す図のように、(1)バルク内の伝導に由来するもの、(2)粒子と粒子の界面(粒界)の伝導に由来するもの、(3)サンプルと電極間の伝導に由来するもの(接触抵抗)があります。ここで、(3)に示した接触抵抗は非常に難しく、正確に抵抗値を測定するためには工夫する必要があります。接触抵抗は接触電極の先端部分の形状に依存するため、探針を押し付ける強さによって抵抗値が変わってしまうからです。
サンプルに面積の定まった金属電極を形成し、探針を接触させることでこの問題を解決しています。一方、4つの探針を用いて接触抵抗を無視できる4探針法も簡便な方法のひとつです。
