電気炉 (酸素分圧測定用)
1. どのような装置ですか?

セラミックスや金属などの製造プロセスでは大気中での加熱処理のみならず、様々な雰囲気、特に不活性雰囲気での加熱処理を必要とする場面が増えています。この電気炉では、不活性ガス雰囲気中(ArやN2)での熱処理が可能であるため、大気中での熱処理が困難な酸化物ガラスの熱処理や金属酸化物の還元実験などをおこなっています。研究室では、電気炉に自作の酸素センサを取り付けており、測定中の反応の様子を酸素分圧としてモニターが可能です。反応中の酸素分圧を測定することで、実際に起こっている酸化還元反応の推定、再現性の高い試料の作製が可能になります。酸素センサの動作原理は次項に示します。
管状シリコニット電気炉 (横型)
発熱体: シリコニット (SiC)
最高温度: 1500℃ 常用温度: 1400℃
特徴:真空金具を取り付けているため雰囲気制御が可能。アルミナ管 (炉心管)により発熱体を保護しているため、雰囲気ガスによる発熱体の劣化を防ぐことができる。
2. どのような原理ですか?
ジルコニア式酸素センサ (ハンドメイド)

(構成)
センサ部分のセル構成… O2 (参照極), Pt|固体電解質(ZrO2 + MgO)|Pt, O2 (検知極)
(動作原理)
固体電解質の応用例としてよく挙げられるジルコニア(ZrO2)を用いた酸素センサは、700℃以上の高温域での動作に適しています。500℃以上の高温状態においてジルコニアは酸素イオン導電性を発現し、選択的に酸素イオン(O2ー)のみを通します。ジルコニア自体も高い酸素イオン導電性を示しますが、動作安定性が低くなります。そこで、安定化剤としてイットリア(Y2O3)やマグネシア(MgO)などを10 wt%程度加えたものがよく使用されています。
電極近傍での反応を反応式で表すと以下のようになります。
参照極(高濃度側): O2 + 4eー → 2O2ー (還元反応)
検知極(低濃度側): 2O2ー → O2 + 4eー (酸化反応)
酸素濃度差があれば、濃度の高い側の電極で酸素分子(O2)は電子をもらって酸素イオン(O2ー)になり(還元反応)、濃度の低い側の電極では酸素イオン(O2ー)が電子を離して酸素分子(O2)に戻ります(酸化反応)。この反応により電極間には酸素濃度比(酸素分圧比)によって決まる起電力が発生します。
この機構は電解質溶液を用いた濃淡電池の場合と同じであり、起電力をマルチメータにより測定することで、以下に示すネルンストの式より検知極側の酸素分圧が算出できます。
