研究内容

極低温冷凍機用蓄冷材の開発

極低温冷凍機は,4 K(約-269 ℃)という低温を作り出すことができる冷凍機です.この冷凍機は医療用MRIや超伝導リニアの超伝導磁石の冷却に使用されています.超伝導磁石は,高価かつ希少資源の液体ヘリウムを利用する必要があります.極低温冷凍機は蒸発するヘリウムを再度液体ヘリウムにできるため,コストの節約ならびに省資源を実現することができます.冷凍機によって4 Kという低温を生み出すには,熱を溜め込む蓄冷器というものが必要になります.そして,冷凍性能は蓄冷器内の蓄冷材の比熱の大きさに依存しています.私たちの研究室では,比熱の大きな蓄冷材の研究を行っています.鉛フリーの材料や希土類金属系の材料を作製して,比熱を始めとした物理的性質を調べています.


磁気冷凍材料の研究

冷蔵庫やエアコンなどの空調は,気体冷凍と呼ばれ,気体の圧縮と膨張によって冷却を行っています.近年,この気体冷凍よりも効率の高い冷却技術として,磁気冷凍が注目されています.磁気冷凍とは,磁性体(磁気冷凍材料)と磁石を利用して冷却を行います.効率の面で優れているだけでなく,ノンフロンなので環境にも優しい技術です.磁気冷凍は前述の空調設備の他に,クリーンエネルギーとして注目されている水素の液化への利用も検討されています.私たちの研究室では,性能の良い磁気冷凍材料の探索を行っています.鉄やコバルトといった遷移金属や希土類金属を溶解して試料を作製して,その磁気・熱的性質を調べ,磁気冷凍材料としての可能性を探っています.


熱電材料の研究

熱電変換というのは,熱から電気に,または電気から熱へ直接変換する技術のことです.私たちは主に火力発電によって電気を得ていますが,投入したエネルギーの3~4割程度しか使用できていません.それ以外は排熱として捨ててしまっています.熱電材料は,そうした捨ててしまう熱を拾って電気に変換することが可能なため注目を集めています.また,機械的な駆動部がないので,騒音も出ません.熱電材料は,現在でも一部の小型冷蔵庫やヴォイジャーといった宇宙探査機などにも搭載されています.しかしながら,現状はまだ変換効率が低いため,まだ世の中にあまり普及していません.私たちの研究室では,粉末を機械的に混合するボールミルや,10万気圧といった圧力をかけて,変換効率の高い新しい熱電材料の開発を行っています.


希土類化合物における熱膨張の研究

熱整流材料の研究